2010年12月に執筆した記事を2023年2月に再筆しました。
買い方を学ぶ③
今回は各レースでどのようにして投資していくかと言う事に触れていきます。馬券を買う上で大切なのは沢山当てる事ではありません。当てたときにどう儲けるかと言う事が大切な要素になります。
つまり、期待値の幅がどれくらいあるかです。競馬は毎回当たるわけではなく外れて当然ですし、その中で何回か当てるだけで十分に儲けることができるのも競馬です。全部当てて儲けようなどと欲張ってはいけません。当てに行こうとすると、無駄な買い目が増えます。そうすると当てたときの回収率も減るので当ててもたいして儲からなかったりします。
多くの人がこのパターンにはまっているために儲け損ねているのかもしれません。つまり馬券を買う際に強弱が無さ過ぎます。以前にこのテーマで「勝負レース」と「買いレース」を明確にして馬券を買うこととお伝えしたことがあります。あれは、レース単位での強弱を指摘したものです。
今回は買い目単位での強弱です。常に原則としてどの買い目が的中しても同じだけの払い戻しを受けることができるように資金配分をします。
これはどういうことかというと、買い目が何点かになる(複数点になる)と言う事はそれぞれの買い目に的中するチャンスがあると考えていると言う事です。つまり、トータルした場合で考えると当たった時にキッチリと目標とする払い戻しを受けることが重要です。
この回収率設定を各自で決めておかなくてはなりません。
これは各々の的中率や狙い目などによって算出する必要があります。以前に期待値の話で取り挙げましたが自分の的中率に対して回収率の設定を行います。
例えば、的中率が25%であれば最低でも400%以上の回収設定をしなくてはプラス収支にはなりません。仮に20%の的中率ならば500%の回収設定が必要となってきます。馬券を買う際にこれら自分の回収設定値に満たないレースは基本的には買うだけ無駄という結果になります。
この時に大切なのは自分が設定している回収値よりも出来るだけ高い回収値が設定できるように上を目指すことです。例えば、的中率が25%の人は先程言ったように400%以上が必要となりますが、あるレースで回収を設定したところ500%あったからと言って押さえを追加したりなどでわざわざ400%にする必要はありません。点数が増えればそれだけ当たる確率が増えるのは確かですが儲けが減ることに繋がります。回収を計算した時点で買い目は決まっているわけですから、わざわざ安心を買って点数を増やす必要はありません。これをしてしまうと爆破力に欠けることになるので、このような買い方はお勧めできません。
このように回収が多い場合にはまだ良いのですが、逆に少ない時が今回のテーマとも言える部分になります。選択肢は2つあります。
1つは「回収が取れないので見送る」
2つ目は「回収を自分から作り出す」です。
絶対に間違ってはいけないことは低い回収値のままで投票する事です。400%がボーダーラインの人が300%の回収値しか取れないレースを買う事だけはNGです。それならば見送る方が賢明です。では「回収を自分から作り出す」とはどう言うことでしょう。これは何個かパターンがあります。
1つは買い目を限界まで削る。
2つめは買い目の一部を元返しに設定して本線と押さえを作る。
3つ目は馬券の種類を変えて考える。
他にも手段は色々とありますが、この3つのパターンが基本となります。これらの手段を用いて買い目と投資額を出して納得がいくものとなれば投票に至りますし、納得がいかなければ見送りとなります。
買い目を限界まで絞る
まず最初に挙げた「買い目を限界まで絞る」ですが、もう一度買い目を見直して本当に限界まで絞った馬券になっているかどうかを確認します。安心を買って人気があるというだけで押さえていないか、ピンと来ない馬なのに新聞などの評価が高いからと言う理由だけで購入していないか、など様々な要素を考えて不必要な買い目を削除します。これは常にやる必要があることなので最初にもってきました。特に縦目を買うといった自信のない買い方をする人に多い馬券です。複勝やワイドを除けば原則として当たり馬券は1通りしかありません。にも関わらず軸も決めることが出来ずに買っているのであれば、それは無駄な馬券の対象です。
レースのパターンによっては縦目を買う戦略もありますので全てとは言いませんが、90%以上は軸流しを徹底した方が回収と予想という点では好ましいと考えます。BOXにすることは無駄な馬券が多く含まれているのでかなりの高配当が見込めるとき(紛れが多そうだと読んだ時)以外は無用の買い方になります。
このように無駄な馬券を省くことが第1歩です。ただし、注意してほしいのは大事な買い目を無理に消さない事です。あくまでも無駄な買い目がないかを確認することです。無理に消すことは著しく的中率を落としたり、回収率を落としたりする可能性があるからです。
買い目の一部を元返しに設定して本線と押さえを作る
次に2つめの「買い目の一部を元返しに設定して本線と押さえを作る」ですが、これは次のステップになります。
買い目を限界まで絞ったにも関わらず回収が取り切れないときや爆発力に欠ける時などにこの方法がとられます。
むしろ、ほとんどの場合においてこの方法を使うことが多くなってきます。これは回収が取れないからという理由ではなく、本線で当てたときの爆発力を上げたいからです。
ただし、これは慣れないと危険な方法でもあります。
まずは基本どおりにどの買い目が来ても払い戻しが一緒になる方法で十分な成績をあげてから、このステップに入る方が好ましいです。なぜなら、これらの強弱をつけるには買い目を出す際にキッチリと相手関係を把握しながら元返しを作るので、的中した際に最低でも8:2くらいの確率では本線的中が求められるからです。極端に元返しの回数が多くなると当然ながら総合してジワジワと回収率は落ちていきます。つまり、通常は各レースを400%で買わなくてはならないのに、この場合は100%の馬券を買っていることになるので、非常に危険な賭けでもあることがわかります。また、これをする際には自分の中で買い目に対する自信度を明確にしなくてはなりません。自信のあるトコには多く入れますし自信のないとこを押さえにします。さらには、その自信のない買い目は削ることができないのか。それが明確に出来なければ誰でも押さえばかり作って守りの馬券になってしまいます。
しかし、段階を経て確実にこのような強弱をつけた買い方をマスターする必要があります。それも守りの買い方ではなく、攻めの買い方での強弱です。当然ながら、予想をする能力差がハッキリと出てくる方法です。上手ければ本線ばかりで当たりますし、下手ならば押さえばかりで当たります。よって年間などをトータルすると予想能力差が歴然と出てきます。逆にコツコツと確実にステップを踏んでいくのは全ての買い目で払い戻しを均等にする方法です。これは最初から自分の的中率に合わせて設定しているので負けるはずがありません。先程の説明文の中で的中率25%→回収設定400%と言ったのはあくまでも400%を切らなければ総合して100%の回収率を切らないというまでなので正確に言えば儲けがありませんから25%の的中率であれば600%くらいに設定しなくてはなりません。これならば150%の回収がトータルして取れることになります。
的中率25%と言う事は4回に1回的中します。それを600%で各レース設定して購入したならば、仮に各レース1万円購入した場合、4回で4万円使うことになり、そのうち1回が的中して6万円の払い戻しを受けることができるので、差し引き2万円の儲けになります。よって回収率は150%です。目安としてはトータルで150%の回収になるように自分の的中率から逆算して各レースの回収設定をするとよいと思います。
このようにシッカリと自分を把握しながら馬券を買っていけばコツコツと確実に儲けることは誰にでも出来ます。儲けられないのであれば回収設定を誤っているか無駄なレースを購入して的中率を落としているかです。
短期間では結果に現れないので3ヶ月周期くらいで成績をみて(修正しながら)コツコツとやれば少しずつ儲けが見えてくることでしょう。これが出来てから強弱をつけた買い方を実戦することがオススメです。それまでの間は本線がどれであるかなどをメモなどに残して本線的中率を把握することに費やすとよいと思います。
手間は掛かりますが実際に買うのは均等払い戻しで、架空の中で押さえと本線をメモに残しながらしておくとトータルしてどちらが得しているかが比較できます。これを3~4ヶ月くらい続けて実際に本線的中時の方が儲かっていることが分かれば、そちらに移行してみましょう。ただし、架空とはいえレースが始まる前にキッチリと資金配分までメモしないといけません。人間は自分に甘い評価をつけるので心を鬼にしながらやらなくてはいけません。
馬券の種類を変えて考える
さて、3つめに挙げた「馬券の種類を変えて考える」ですが、これは次の段階とも言えますが、少しだけ触れておきます。例えば、馬連で回収が取れないから馬単で買うなどと言う事です。しかし、安易に回収が取れないと言う理由だけで馬単で買うのは危険過ぎます。他の馬に先着されないから馬単を選ぶのであって、回収が取れないから馬単を選ぶわけではありません。このことに関してはまたどこかで触れていこうかと思います。
自分の的中率から回収値の設定
↓
各レースの払い戻しを均等に設定
↓
十分な成績を残せたら本線と押さえを作る
まずはこの順序で買い方を工夫してみてください。最後までお読みいただきありがとうございます。その他の記事も参照下さい。
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