ラク短の法則(過去記事改訂版 2020年号)
ラク短の法則とは何か?
2004年に勉強回顧 で公開した古い記事ですが、当然今でも役に立つ事なので2020年版として既存の記事をできるだけ残して少し記事を改定してお届けします。よくTwitterやブログなどでも「ラク短の法則」という言葉を目にする事もあると思います。「なんなんだ?」「どこに書いてあるんだ?」「有料の記事?」と思われる人もいると思いますが、ブログの過去記事に無料で記載されているものです。ブログ内を探すのも大変だと思うので10年ぶりくらいに一度記事として一新しておこうと思います。
いまでこそ馬場やらトラックバイアスやらという人が増えてますが、この時の記事が2004年ですからいまトラックバイアスと言ってる人は二番煎じどころか五番・六番煎じくらい遅いです。よってあの時は入れ食い状態でドンドン万馬券が入り込んできましたが、競馬というのは常に一手先を見ていないと美味しくありません。ただし、2004年に言っていたことがいまもなお通用するということは大事です。それだけ当時から間違えではなかったということです。例えば馬タイプにしても今はまだ浸透してないですが10年後には当たり前のように多くの人がギアチェンジタイプ馬とか言ってるかもしれません。
ブームや当たり前になる前に一手先を読んで実戦する楽しさがあるのが競馬の面白いところだと思います。
いよいよ本題突入
さて、ここからが過去のブログ記事を改定したものになります。すでにラク短の法則をご存知の方も復習がてらにご覧ください。当時作った画像などをそのまま用いています。
↓↓↓↓ここから↓↓↓↓
勉強回顧ではこんな事もやってるんだという参考にもしてもらえればと思います。この内容はどちらかというと初心者向けの解説になっているんで勉強回顧はもう少しハイレベルな内容になっています。
2週前の中京の芝は差しが決まっていましたが、先週の特に日曜は前に有利な馬場に変わっていましたので、高松宮記念などでも結構狙える馬というのが絞りやすくはなりました。
ただ、2週前のイメージを持ちすぎていた人は勝手に差し馬場だと認識して撃沈したかもしれません
やはり当日の傾向というのは大事で当日の馬場をチェックする事は即馬券に繋がりますのでちょっと過去記事からの紹介ですがまさにその移り変わりの傾向について書いた記事だったので紹介しておきましょう。
—-[以下、当時の記事です]—-
当時の記事なので本文中に小倉の話などが出てきます。
—-最後に追記も書いてあります。
馬場の移り変わりと有利不利について説明していきます。特に北海道開催を除くローカルコースでは馬場の移り変わりが早いので常にこういうことを考えに入れておくことが大切です。なぜ北海道開催を除くかというと、北海道の芝はなかなか荒れない傾向にあるからです。ちょうど開催時期に雨が少ないことや、芝の発育がよいことなどがきっと影響しているんでしょうけど、それがどんな理由でなかなか馬場が荒れないのかというのはどうでも良いことだと思います。単純に荒れづらい芝と考えておくだけで十分と馬券に繋がってくるのであまり深く考えることはしません。
図①
さて、①の図ですが、見てもらって分かるように、開幕週などの良好な芝の状態です。とりあえず、分かりづらくなるので、以下でもコース替わりは考えにいれないものとします。たまに質問があるのでコース替わりとは何かということに触れておきますがローカルコースでは多くの競馬場でAコースとBコースを用意しています。Aコースは内ラチギリギリのところで、Bコースに変わると内から3mほどラチが外側に移動されます。移動される距離は各競馬場によって違うのでそれはJRAのサイトなどを見て確認してください。
この①の図は誰でも分かるように完全な前馬場です。 内側にべったり着いてコースロスなく回ってくる馬に有利な馬場状態です。4コーナーや道中で外を回すようではそれらのコースロスの分、先行馬との距離が離されてしまい届ききれずに終わってしまいます。
ただし、ローカル競馬場での開幕週で注意して欲しいことがあります。それはペースです。騎手心理からなんですが、たとえば6月に東京競馬場での開催が終わって夏シリーズが始めると福島競馬場に変わります。そのように広い競馬場から狭い競馬場に変わると言うことは騎手心理として早めの競馬をしないと届かないという心理状態になってしまいます。すると、仕掛けが極端に早くなって3コーナーくらいから一気に仕掛けていく騎手が多くなり、乱ペースが生まれてしまいます。そうなると馬場は絶好の前馬場なのにも関わらず内の中団くらいで溜めていた差し馬がヒョッコリ差してくる事があります。これも、騎手心理なので当日にどんな傾向で競馬が行われているかという事に自分で注目しておかなくてはならない部分です。
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図②
(中)を通す馬に有利な馬場
上の図②はまさに今回のような馬場です。
色で見てもらっても分かると思いますが内側が踏み潰されて荒れた状態です。騎手がこの状態に気づいているかどうかが大きなポイントになるので、どの騎手が気づいているかということに注目しながらレースを検討することが大切になります。ただし、これを逆手にとって取りやすい馬券となるのはラク短の法則です。
騎手がこれらのことを知らなくても知っていても狙いやすい状態となるのがこの法則なので、この馬場になったときに買いやすいのはラク短の法則にあてはまるレースだけと考えても過言ではないと思います。特にこの馬場に変わった瞬間などは多くの騎手がこのことに気づいていないので中距離でいうならば最初は馬場の真中を通してくる差し馬が上位に食い込んできます。次の段階で、多くの騎手が馬場の真中を通さないと勝てないということに気づくので、逃げ先行馬がそろって馬場の中央を通してきますから差し馬はその外を回さなくてはならなくなり、距離ロスなどを生じてしまうため結局は逃げ先行勢の天下となりやすいものです。よって今回レースを見てもらったように、午前中は内をまだ通していて騎手も午後になると馬場の真中を通すようになってきていたのが伺えたと思います。
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図③
(内)を通す馬と(外)を通す馬に有利な馬場
次の段階がこの③です。これが日曜日の昼に午後はこうなるかもしれないと予想した馬場です。土曜日にみんなが馬場の中央を通すことにこだわっていたので中央だけがどんどん荒れてきてしまいます。後半になればなるほど馬場の中央と内側の荒れ方に差がなくなってきます。
このように内中が同じ荒れた状態であればコースロスの少ない内を通した馬が粘り込むことに繋がってきます。しかし、この状態に変わった瞬間というのはまだ騎手は馬場の真中を通すブームが続いているのでなかなか内に入れることがなく、ごく一部の騎手が内で粘れると判断した場合に結果を出してきます。そして、中央と外ならば外のほうが馬場が良いので中央を通した先行馬よりも距離ロスを承知で外に回した差し馬の方がゴールでは上位に来る可能性も高くなり、結果として馬場の悪い内をロスなく回した馬とロスを生じながらも馬場のよい外を通した差し馬がゴール前では横一線となる可能性がある馬場で馬券を買うには一番難しい馬場です。つまり、内と外はプラス材料とマイナス材料が1つづつあり中央はマイナス材料が2つあることになります。しかも、どの騎手がどこを通すかという判断が非常につきづらい状態でもあるのでより難しくなります。
ちなみに、このような馬場のときに穴として狙うならば内を通すことになりそうな先行馬でダートの実績がある馬が穴をあける傾向にあります。つまり力のいる馬場をこなせる馬が先行して上位に食い込むという理論になります。ちょっと頭の片隅にでも残しておくと思わぬ穴馬券を取る機会もあるので覚えておいても損はないでしょう。 しかし、個人的には紛れの出やすい馬場状態なのでこんな馬場になった時は全く手を出す気はおきません。もちろん他の競馬場やダートなどの方が遥かに狙いやすい状態にあることが多いからです。ただ、穴馬券を取りたいのであれば、これらを踏まえた上で穴狙いをするのも悪くはないとは思います。
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図④
(内)を通す馬に有利
今回の小倉開催ではここまで行きませんでしたが、④のような馬場になると馬場は悪い状態ですが、内も外も変わらず悪いのでコースロスの少ない分で内の先行勢に有利な結果となります。特に2連続開催のローカル戦などは最後にはこういう状態になりやすく、この手の馬場はある意味で言うと開幕週の馬場と同じような狙い方ができるので馬券的には買いやすいです。少し補足をするならば、同じ能力の内枠先行馬でもダートで実績のあったりパワーを持っている芝馬のような力のある馬の方が狙いやすくなるというのが開幕週の良好な馬場との大きな違いと言えるでしょう。
総括としては買いやすいのは①と④の馬場です。そして、②の馬場の時にはラク短の法則に当てはまる馬狙いで短距離なら買いやすくなります。馬場の移り変わりからどのような時にどのような馬を狙うべきであるかと言うことがご理解いただけた事と思います。特に今回の小倉開催ではこのような点に注目してもらったので、映像を見れた方は肌で実感できたのではないでしょうか。仮に映像を見ることが出来なかった方でも上の図と説明で十分にご理解頂けるものと思います。
続いて、ラク短の法則崩しのレースとして注意しなくてはならないという意味から12Rを取り上げたのでそれについて説明していきたいと思います。12Rは芝1200m戦です。上の図②の馬場になった状態では短距離の芝戦でラク短の法則が有効となります。
ラク短の法則とは?
ラク短の法則を初めて聞く方のために簡単に説明しますと、馬場の悪い内を通すことなくレースを出来る馬を狙うために枠の真中から外の先行馬を狙うのがこの法則の趣旨です。これは短距離戦は基本的に前半からペースが速くなるという原理を利用しています。
短距離なのでどの馬も前で運ぼうとします。よって内枠の馬が馬場の悪い内側を避けて少しでも馬場の良い外側に持ち出そうということが出来なくなります。全体が前で運ぶということは内枠勢にとっては他の先行馬が壁になってしまって馬場を選ぶ余裕がなくなるために結果として終始馬場の悪い内側を回されることになってしまいます。
一方で枠順が真ん中から外の先行馬というのはスタートして真っ直ぐ走れば自然と馬場の良いところを回していくことが出来ます。外を回すロスは生じますがそれを補うだけの馬場状態であれば結果的に中枠から外の指数の高い先行馬が優勢に運びます。
これを踏まえて以下で画像付き再解説します。
図A
そしてこの図がまさにラク短の法則となるものです。向正面のスタート位置をイメージした図なので先ほどゴール前の直線をイメージした図とは進行方向が逆になっているので注意してください。(右回りスタート位置)
この図Aのように普通の短距離戦ならばそろってみんなが前半からペースをあげてくるので、内枠の先行馬は最初から最後まで馬場の悪い内側を通らされる結果となってしまい、人気するような実力馬でも取りこぼしが多い状態になります。馬場図①のような良好な馬場ならばもちろんコースロスの少ない内枠の方が理想ですが、図②のようになると図Aの状態になるのがラク短です。
そこでラク短の法則をよく知っている人ならばこの12Rもついついラク短ほ法則を利用して、真中から外を通す枠の馬を狙っていきたくなってしまいますが、このレースには落とし穴があります。それが下の図Bです。(※当時のレース解説でラク短の法則から崩れたときの狙い方を解説)
図B
短距離戦の割にはかなり先行馬が少ないレースというのが、hide指数競馬新聞の背景色(先行馬の色)から見て取れます。そうなると図Bのように内枠で馬場の悪い所を通すことになる馬がスタートして前半の脚をちょっと使うだけで馬場の良い真中辺りを取ることが可能となります。
図Aのように外からも先行勢が圧迫してくる状態では内枠の先行馬は全く外に位置取ることができず騎手の希望とは違う馬場を自然と通らされてしまいます。このように先行馬が全体的に少ないようならば内枠の先行馬でもスムーズに馬場のよい所を通すことが可能となります。
また、10Rで秋山騎手が積極的に馬場の真中を選んで通っていたことから秋山騎手はどこを通さなくてはならないかと言うことを理解していると判断できるので12Rではトウセンザオーが十分に狙える馬となります。秋山騎手がこのような動きをすることでこのレースにどういう影響を与えるかというと、内側を通す馬が全くいなくなってしまい、全体的に外側にシフトされることになるので外枠の馬は外ラチ一杯をずっと走らされることになって大きな不利となります。しかし10Rで仮に秋山が馬場を分かっていないと判断できればせっかく馬場のよい所を選べる展開になるにも関わらず内を通すことで外枠の馬が外ラチ一杯を走らされることにはならないので、真中から外の枠の馬が有利になります。そうなれば、前半に脚はないものの外枠ならば被されることがなく自在に動けるメニーアワードが浮かび上がってきます。これは過去5走を見てもらっても分かるように、外枠に入ったときは4角で5番手以内まで押し上げてこれています。その代わり内枠だと直線一気の追い込み勝負しかできなくなってしまうのがこの馬の特徴です。今回は結局外ラチ一杯を直線一気の競馬となりましたが、これはトーセンが外に位置取ることによって、全体的に外シフトになってしまったため、さらに外を捲くるように動くとロスも大きく自分からはとても動けない状態となってしまったものからです。とても2着にきたステキナブロンコなどは紐として拾えませんが、狙いとしてはラク短の法則ではついつい切る候補になるトーセンが買えるパターンになると言うことを把握してもらえれば十分です。
そして買いやすいのはあくまでも多くが先行する速い流れでのラク短の法則に当てはまるレースです。このように緩い流れで内が外に入り込んで来るようなレースは馬券候補としては買いづらいレースといえます。
馬場の移り変わりを利用しながら買いやすい時と買いづらい時というのを頭に入れておくことと、どのような点に注目(騎手の動きなど)すべきか、馬場が今後どう変化していくか、と言ったことを頭に入れておくことで先を読むことが可能になります。よって、これはセンスなんかで分かるのではなく、単純な馬場の動きの繰り返しをちょっと頭に入れておくだけのことですので誰でも慣れれば同じ事を思うようになりますから馬券に直結できます。
—-追記—-
この過去記事以外での追記としては、馬場が荒れて来た時に最内の1頭分だけは馬場が残っている事が多いので注意しましょう。
差しが決まっているのに逃げ馬だけ残ったというようなレースを目にした事があると思います。その理由として直線では最内の1頭分だけ馬場が思ったほど悪くなってないんです。
通常レースでは道中はコースロスの少ないように多くの馬が内ラチ沿いを通しながら運んでいきますが、直線に入ると追いやすいところを探して広がります。そうなると先団の内にいる馬は逃げ馬が最内にいて邪魔なので当然ながら少し外側に出します。そうやって後続の馬は内から2~3頭目の位置を中心としてそれよりも外に持ち出すケースがほとんどです。その結果、直線では最内を通す馬は逃げ馬とごく僅かな内差しを狙う馬なので、内から2~3頭目の馬場が極端に荒れるのに対して最内の1頭分というのは馬場の傷みが若干遅くなります。参考まで。
これが2004年に書いた記事です。惜しみなくどんどん気づいた事や法則となることは公開しています。最新の情報を手に入れて、hide指数競馬新聞と勉強回顧で一手先の予想知識を身につけて競馬を楽しんでください。
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