
競馬の予想において、「展開」は非常に重要な要素です。
ただ強い馬を探すだけでは、なかなか馬券の的中には繋がりません。
なぜなら、どんなに能力の高い馬でもレースの流れ(展開)がその馬の得意な形と合わなければ、あっさり負けてしまうことがあるからです。
例えば、最後の直線で爆発的な末脚を使う「追い込み馬」が、全体的にペースが遅く、前を走る馬が有利になる「スローペース」のレースでは、自慢の末脚を活かしきれないまま終わってしまうケースがあります。
逆に、実力は一歩劣ると思われていた馬が、その馬にとって絶好の展開に恵まれることで、思わぬ好走を見せて穴をあけることも珍しくありません。スタートから積極的に飛ばす「逃げ馬」が、他の先行馬が揃わず、楽に先頭に立てる「単騎逃げ」の形になれば、そのまま押し切ってしまうこともあります。
つまり、展開を読めるようになると、以下のようなメリットがあります。
- 人気馬の危険性を見抜ける:このレースの展開では能力を発揮しにくいだろう、という人気馬を見極められます。
- 穴馬を発見できる:実力はそこそこでも「この展開なら一発あるかもしれない」という馬を見つけ出すチャンスが広がります。
- 本命馬の信頼度が測れる:強い馬がさらに得意な展開になりそうであれば、その馬券の信頼度がより高まります。
「穴を狙うならば実力馬が力を出し切れそうにない展開、逆にきっちりと当てに行くなら実力馬が力を出しやすい展開を狙う方が効率的である」という考え方が、まさに展開予想の核心と言えるでしょう。
コースと展開の具体例
では、実際にどのようなコースでどのような展開になりやすいのか、具体例を挙げてみましょう。
- 道中で息が入りやすいコースの例
- 中山競馬場の芝1600m(例:京成杯オータムハンデなど): 最初のコーナーまでの距離が短く、先行争いが激しくなりやすいですが、終始カーブを回っているようなコースなので、そこでペースが落ち着きやすい(息が入りやすい)傾向があります。そのため、内枠からロスがすくなく先行した馬が経済コースを生かす競馬が可能。
- 東京競馬場の芝1800m(例:毎日王冠など): スタートから最初のコーナーまでが短く、そこで一瞬ペースが落ち着きやすい傾向があります。道中でペースが緩みやすく(息が入りやすい)、最後の直線での瞬発力勝負になりやすい特徴があります。
- 道中で息が入りづらいコースの例
- 東京競馬場の芝1400m(例:京王杯スプリングカップなど): スタートから最初のコーナーまでが長く、短距離ということもあってペースアップしやすく、そのままスピードが落ちにくい傾向があります。道中で息を入れづらいため終始速いペースが続くため、先行勢が苦しむケースが見られます。
- 京都競馬場の芝1200m(例:京阪杯など): 全体的に下り坂が多いコースで、スタートからゴールまでスピードを維持しやすい傾向があります。道中で息が入りにくく、スタミナとスピードの持続力が問われるため、直線が平坦とはいえ展開的に先行馬が粘りきるには特に重賞などクラスがあがると能力も必要です。
このように、コースの形状や距離、高低差、そして「道中で息が入りやすいか、入りにくいか」といった特性によって、レースのペースや有利な脚質が大きく変わるため、展開予想においてコース特性の理解は欠かせません。
レース展開を読む3つのステップ

ここからは、実際にレース展開を読むための具体的なステップを解説していきます。
ステップ1:脚質を知る!「逃げ」「先行」「差し」「追い込み」の基本
レース展開を予測する上で、まず最初に把握すべきは出走馬それぞれの「脚質」です。脚質とは、レース中にどの位置取りで走る傾向があるかを示すもので、大きく分けて以下の4つに分類されます。
- 逃げ:スタートから先頭をキープし、そのままゴールを目指す馬。
- 先行:逃げ馬のすぐ後ろ、または集団の先頭付近でレースを進める馬。
- 差し:中団あたりでレースを進め、最後の直線で加速して上位を目指す馬。
- 追い込み:後方で脚を溜め、最後の直線で一気に加速して上位を目指す馬。
それぞれの脚質には得意な展開やコースがあり、レースのペースを左右する重要な要素となります。
出走馬の脚質を確認する方法
競馬新聞には、各馬の過去のレースにおける通過順位や脚質を示す情報が記載されています。一般的な競馬新聞では、ご自身で脚質を判別し、蛍光ペンで色分けする作業が有効です。
- 「逃げ」の馬には赤色の蛍光ペン
- 「先行」の馬には青色の蛍光ペン
- 「差し・追い込み」の馬には緑色の蛍光ペン
といった形で、過去5走程度の通過順位を参考に色分けしてみましょう。これにより、各馬の脚質の傾向が視覚的にわかりやすくなり、レース全体でどの脚質の馬が多いのか、また先行馬がどれくらいいるのかなどを一目で把握できるようになります。この地道な作業こそが、展開予想の精度を高める第一歩となります。
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ステップ2:隊列を予測する!先行争いからペースを読み解く

ステップ1で各馬の脚質を色分けできたら、次にその色分けした情報を使って、レース全体の「隊列」と「ペース」を予測します。これが展開予想の醍醐味であり、馬券検討の重要なカギとなります。
隊列とペースを予測するポイント
- 「赤色」の馬の数と位置に注目する
- 競馬新聞で「赤色」(逃げ馬)を塗った馬が複数いる場合、そのレースは先行争いが激しくなる可能性が高く、「ハイペースになりやすい」と予測できます。逃げたい馬が多いほど、スタート直後から激しいポジション争いが繰り広げられ、ペースが速まります。
- 「赤色」と「青色」の馬の全体的な割合を見る
- 「赤色」(逃げ馬)だけでなく、「青色」(先行馬)に塗られた馬の数が全体的に多いレースも、前々でレースを進めたい馬が多く、結果的にペースが速くなりやすい傾向にあります。
- これらの前に行きたい馬が多い場合、途中で息を入れることが難しく、全体的に消耗戦になりやすいと判断できます。
- コース特性との組み合わせ
- ステップ1で解説したコース特性(コースのそれぞれの特徴はコース解説を参照)と、色塗りの結果を組み合わせることで、より精度の高いペース予測が可能です。
- 例:道中で息が入りづらい「東京芝1400m」で、赤や青の馬が多い場合 → かなりのハイペースになり、前が総崩れになる可能性も出てきます。
- 例:道中で息が入りやすい「中山芝1600m」で、赤や青の馬が多い場合 → それでも前半は速くなるが、内枠勢がどこかで息が入る可能性も考慮に入れる、といった判断ができます。
- ステップ1で解説したコース特性(コースのそれぞれの特徴はコース解説を参照)と、色塗りの結果を組み合わせることで、より精度の高いペース予測が可能です。
これらの予測を通して、「どの馬がハナを切るのか(逃げるのか)」、「先行争いはどのくらい激しくなるのか」、「結果的にレースのペースはハイペースになるのか、ミドルペースになるのか、それともスローペースになるのか」といった見立てを立てていきます。
ステップ3:勝負どころを見極める!上がりタイムとラストスパート
最後のステップは、レースの終盤、特に「上がり(最後の3ハロン=約600mのタイム)」に注目し、どの馬が最も良い脚を使えるかを判断するフェーズです。
レースのペースと上がりの関係性
レース全体のペースによって、求められる「最後の脚」の質は大きく変わります。
- スローペースの場合: 道中で馬たちが体力を温存できるため、最後の直線では一気にギアを上げ、瞬発力が問われる展開になります。この時、特に有利なのはSタイプ(瞬発力タイプ)の馬です。まるで短距離走のように、一瞬の加速力で他馬を置き去りにする能力が求められます。
- ハイペース(タイトな流れ)の場合: スタートからゴールまで、馬たちが常にスピードを出し続ける消耗戦になりがちです。このような展開では、瞬間的な速さよりも、速いペースを持続できる持続力が重要になります。つまり、Jタイプ(持続力タイプ)の馬が有利になりやすいと言えるでしょう。息の長い脚で、バテた先行馬を捉え、後方からの追撃も振り切って粘り切る能力が求められます。
有利なポジションから良い上がりを使える馬を見つける
前述の通り、馬には「瞬発力タイプ」と「持続力タイプ」があることを理解し、レースのペース予測と組み合わせることが重要です。
- 予測したペースと馬のタイプを照らし合わせる
- スローペースが予測されるなら、出走メンバーの中にSタイプ(瞬発力に優れた)の馬がいないか注目します。
- ハイペースが予測されるなら、Jタイプ(持続力に優れた)の馬に目を向けましょう。
- 過去の「上がりタイム」に注目する
- 競馬新聞や競馬情報サイトには、各馬の過去のレースにおける「上がり3ハロンタイム」が記載されています。
- 特に、今回予測されるペースに近い過去のレースで、好タイムの上がりを使えている馬は、その展開で能力を発揮しやすい可能性が高いです。
- ただし、上がりタイムが良いからといって、必ずしも瞬発力タイプとは限りません。前にいて楽な展開で良い上がりが出たケースもあるので、その時のレースの流れも合わせて確認することが大切です。
- 「位置取り」と「上がり」の関係性を考える
- 例えば、スローペースで瞬発力勝負になりやすいレースでは、直線でスムーズに外に出せるポジションにいながら、かつ最高の上がりを使える馬が理想的です。
- 逆に、ハイペースで持続力勝負になりやすいレースでは、先行集団の少し後ろで脚を溜め、粘り込める体力のある馬が狙い目になります。
このように、予測したレース展開(ペース)と、各馬の持つ特性(瞬発力・持続力)を照らし合わせることで、最後に良い脚を使って勝利に貢献する馬を見極めることができます。
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展開予想をさらに効率化!hide指数競馬新聞の活用
これまで、展開予想の基本的な考え方とステップを解説してきました。ご自身で競馬新聞に色を塗る作業も有効ですが、もし「もっと手軽に、かつ高精度な情報を手に入れたい」とお考えなら、hide指数競馬新聞の活用が非常におすすめです。
hide指数競馬新聞の強み
- 脚質が最初から色分け済み!: 面倒な色塗り作業は不要です。出馬表の段階で、各馬の脚質がすでに赤や青などの色で分かりやすく塗られています。これにより、一目でレース全体の先行勢の多さや、差し・追い込み馬の頭数などを把握でき、ステップ1とステップ2の作業を大幅に効率化できます。
- 高指数馬と展開の相性が一目瞭然!: 出馬表内には、各馬の過去5走分の指数が詳細に記載されています。これにより、どの馬が能力的に優れているか(高指数か)はもちろん、その高指数馬がどのような脚質で、今回の展開が向くかどうかが直感的に判断できます。
競馬は基本的に先行勢など前で運ぶ馬が有利なことが多いです。したがって、高い指数を持つ先行馬に少しでも有利な展開が期待できるレースを選び出すことが、馬券の的中率や回収率を大幅に向上させる最も有効な手段となります。hide指数競馬新聞を使えば、その判断が誰でも簡単に、かつ迅速にできるのです。
まとめ
この記事では、競馬初心者の方でも「展開」を理解し、予想に活かせるようになるためのステップを解説しました。
展開予想は、一朝一夕で習得できるものではありません。しかし、日々の競馬予想の中で少しでも「展開」を意識し、今回解説したステップを試してみることで、確実に上達していきます。
そして、「展開も生き物」です。常に予想通りになるとは限りませんが、だからこそ、できる限りの全力を尽くし、その精度を高める努力を積み重ねることが重要です。
展開予想を極めたいなら、ぜひhide指数競馬新聞をお試しください。あなたの競馬予想が、よりスマートに、より高精度になるはずです。
また、展開予想の基本的な考え方や具体的な進め方については、以下の動画シリーズでも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
【展開予想の動画シリーズはこちら】
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