ブラストワンピースが海外帰りながらもG1馬らしい強い競馬を見せた今年のAJCCとなりました。
流れとしても想定通りスティッフィリオがスムーズに先手を奪う逃げができました。落ち着いた流れに落とす運びができたので良かったと思いますが後半はジリ脚しかないのでちょっとペースを落としすぎたと思います。もっと引っ張って後続に脚を使わせるくらいリードを取る逃げが理想な馬だけにここまでペースを落とすと後半は伸び負けに繋がってしまうのは仕方がないところです。
ステイフーリッシュは◎として期待していた馬ですが想像していた以上によいポジションで運ぶ事ができました。どうしても勝ちきるまでの脚を持っている馬ではないだけに最善の競馬をしても2着が限界でしたが想像していたレースとは違う運びをしながらもしっかりと最後まで傷んだ内側の馬場を通しながらも伸びていったのはこの馬のタフさです。AJCCの動画でも再三この馬を取り上げていましたが距離が延びるのはプラスですし、理想としてはもっと距離が延びてもいい馬なのでこれからのレース選びにも注目したいと思います。
それにしても先行策が取れたのは良い結果にも繋がりました。
ブラストワンピースはその直後に着けるスムーズな運びができたのでこの馬にとってもレース運びとしては良かったと思います。
中盤でマイネルフロストが動いていったことで少し流れて行きましたが逃げ馬のスティッフィリオにまでは並びかけることができずペースを大幅に上げるにまでは至りませんでした。マイネルフロストに関しては非常に残念な故障となってしまいました。
マイネルフロストの故障を除けなくてはならない馬が多くいたのが今回のレースです。後続勢は最初から馬場の良い外側に回そうという意識が強かったので全体的に進路を外側に持ち出している傾向があったので、その中で外を回して動いたマイネルフロストが故障してしまったことから煽りを受ける馬が通常よりも多くなってしまいました。馬場状態が良ければもう少し内側で溜めている馬の方が多かったと思うので馬場を選んで運ぼうとしたことが裏目に出てしまった馬もいました。
煽りを受けた一頭がブラストワンピースでしたが、そこから立て直して4コーナーでは馬場の良い外側に出すのをあきらめて内側のスペースに切り込む判断をしました。パワーのある馬ですし、外に出すにはスムーズさを欠くことに繋がってしまうようなアクシデントだったので内側のステイフーリッシュに併せに行くような選択をしました。
一方でルメールのステイフーリッシュは最初から外に持ち出すことは考えてなかったような騎乗で好位から経済コースを徹底して狙うようなレース運びをしました。この馬もタフさが持ち味なのでこういう競馬はむしろよかったと思います。位置取りが悪くなったときには外を回して馬場の良いところを通して伸びる方が向きますが、今回は外に出すにはスティッフィリオの外に出さなくてはならないのでその距離ロスを考えたら傷んだ馬場を通しても経済コースを差し込むことをルメールは選んだように見えました。
最後の伸びはブラストワンピースの方が一枚も二枚も上だったのでステイフーリッシュとしては食らいつくことは出来ませんでしたが馬場の悪いところを通しながらも最後まで伸びている点は評価。
3着に入ったラストドラフトは位置取りも悪かったですし4コーナーで不利を受けながら外に出して馬場の良いところを通しながらいい脚を使って伸びての3着は評価。中日新聞杯でも不利を受けて伸びていてスムーズな競馬ができてないながらも2戦続けて堅実な脚が使えているというのはこの馬の強さにもなります。長くいい脚を使えるので今年の中距離路線ではまだまだ活躍のチャンスは広がりそうです。
ブラストワンピースは海外帰りの初戦でこれだけの競馬ができれば上出来。この先のローテは分かりませんが今年もこういうタフな競馬で活躍するチャンスが多く見れそうなので楽しみになります。
ステイフーリッシュはもう少し長い距離でタフな競馬のレースに出走してこれたらもっと面白くなる一頭です。日経賞とか面白いんじゃないかと思います。
