トライアルの予想方法を知らないと損をする

競馬コラム 競馬コラム
スポンサーリンク

 今週からいよいよクラシックトライアルが始まります。チューリップ賞弥生賞ですがこのレースが始まると春を感じます。

 季節ごとにトライアルレースがありますが、古馬路線のステップレースと違い3歳のクラシック路線ではただのステップレースとは言えませんのでいつも通りの予想は通用しません。

スポンサーリンク

トライアルの狙い方

トライアルとは?

そもそも競馬を最近始めた方向けにお話をさせてもらうとトライアルってなに?


 これから行われる3歳のG1である桜花賞や皐月賞に出走するには持っている本賞金が上位であること、もしくはトライアルで上位着順をとって優先出走権を手にすることで出走することができます。本賞金が並んだ場合には抽選になります。

 近年は2歳の重賞路線が充実したこともあって数年前とローテーションの傾向も変わってきました。2歳重賞が増えた事で早めに賞金加算を果たしたことで余裕のるローテーションを組む馬も出てきます。それによって3歳重賞で頭数がそろわずに少頭数のレースが目立つようにもなってしまいました。

 それに伴い、2歳の時点でしっかりと賞金加算をしている馬が多くなりますから当然ですが桜花賞や皐月賞に出走するには十分な賞金が必要となってきますし賞金が少なく同額で抽選になった場合にはその枠も少なくなってしまいますので出走するハードルが上がります。

 予想する側としてはぶっつけ本番でG1に出走してくるような馬も多くなるので調子を見る判断も難しくなってます。

 それに対してこのトライアルで上位着順を取って優先出走権を手にすることが確実にG1に出走するためのチャンスになります。そういう意味でトライアルに出走してくる馬は陣営も含めて色んな思惑があります。

それぞれの思惑とは?

 当然このトライアルに出走してくる馬には色んなタイプがいます。

 色んなタイプとは第一となるのが賞金的な問題です。

 すでに桜花賞や皐月賞に出走するために十分な賞金を持っている馬はこのトライアルレースを本気で走る必要性はありません。特にこれから桜花賞と皐月賞だけではなく、その後にオークスやダービーまで見据えますからトライアルレースを全力の仕上げで全力で走る必要性は皆無です。

 やはりそれぞれの陣営の目標はG1を取ることですのでそこに向けてピークをもっていくのは自然です。中には距離適性から桜花賞のマイルを目標にする牝馬もいるでしょうし、もっと距離が延びることを期待してオークスをピークにもってくる陣営もいるでしょう。牡馬においても同じ事が言えます。

もしG1を取れる馬だと思ったら自分ならどうする?

 自分が陣営だったとして桜花賞や皐月賞を勝つだけの力がある馬で賞金がすでに足りているとしたらこのトライアルをどうしますか?

 騎手であれば本番に向けて試しておきたいことを試します。

 これはトライアルに関わらずよくあることです。例えば先日東京競馬場で行われた共同通信杯で圧倒的な人気になっていたマイラプソディです。この馬に関しては勉強回顧でも解説したのが、すでに皐月賞に出るだけの賞金も十分だし、これまで動いていく競馬をして持続力があるところは見せました。豊さんはすでにG1に出れることが分かっている馬ではその馬の可能性を事前に試す事がありますのでこの共同通信杯で試すとしたら追い出しを我慢してどれくらい反応の良い脚を使うことができるかを試すだろうといいうことです。

 強い馬だから信用できるというのはNG

 目標としてはタイトルを取ることで馬の価値をあげることですから余裕のある騎手ならば余裕のある騎乗をしてきます。

 逆に若手の騎手とかになると自分自身が重賞のタイトルを欲しかったりして目先の利益を取りに行ってしまいますからそういう余裕のある騎乗ができずに結果的にトライアルで好走してG1で凡走するというようなことも出てきます。もしくはG1の器ではないと踏んだならば身近なG2のレースを取りに行くというようなケースも出てきます。その馬がどこを意識しているかを考えてあげるのがトライアルです。

 つまり、G1の場合はどの馬も勝つことだけを考えたレースをしてきますが、トライアルにおいては勝たなくてもいいという気持ちで騎乗してくる馬もいれば、G2でも重賞を取りたいと考える馬もいますし、もっというならばG1にとにかく記念でも出走したいので何とかして3着圏内に入ってG1出走の権利を取りたいという馬もいます。

 これによって全然騎乗が違ってきます。

強い馬ほど余力を残したい

 当然ですが2歳G1を勝っていたり好走していたような強い馬というのは人気にもなり期待もかかります。ただ、そういう陣営ほど意識しているのは先のG1です。G1に出走するための賞金はすでに足りていますからトライアルに向けて100%の仕上げをする必要もないので、むしろそんな仕上げをする方がおかしいというのは少し考えれば分かります。

 余力を残した仕上げと無理のない疲れを残さない叩き台としての使用でも活躍出来るだけの能力の高さであれば当然結果も出してくるでしょう。それで勝てたら陣営としてはラッキーという考えが自然。トライアルで負けたとしても怪我をせず疲れを残すことなく次のG1に繋がるステップレースになれば十分な収穫です。


 つまり、競馬ファンが考えていること(実績馬が人気をすること)と陣営が考えている事では乖離があります。

 もっというならばトライアルで余力を残した競馬ができた馬の方が本番のG1で狙い目になります。このトライアルを本気で追って勝ちに来たような馬はG1を走る頃には調子のピークを保てているか分かりません。何着になったかよりも、余力を残すレースができているかどうかがG1を考える時のポイントにもなります。

穴になるのは3着を狙ってくる馬

 トライアルにおいて面白いのはそういった実績馬ではなく、何とかして賞金不足ながらもG1に出走したいと考えているような馬です。そういう馬はトライアルの場合は3着(レースによっては2着以内)を狙いに来ます。

 見ていて分かるのは内枠ならば内側でじっくり脚を溜めて追い出しをワンテンポ遅らせるような仕掛けをしてきたりします。つまり、勝ちに行く競馬をすると結果的にワンテンポ早い仕掛けになってしまうようなことがあるのでG1であればそれで玉砕してしまうならば仕方なしとなりますがトライアルの場合は馬タイプにもよりますが勝ちに行く競馬ではなく3着以内を拾いに行くような騎乗をしたりします。

 有力馬が無理に勝ちに行くことをしないならば当然こういう一発を狙っている馬にもチャンスが回ってきますのでトライアルで2着や3着に穴馬が割り込むケースが頻繁にあるのは自然ですし、実際にレースを見てもらうと分かりますが勝ちに行く競馬ではなく着順を取りに行く騎乗をしています。結果的にそれが上手く嵌って勝ててしまうようなこともまれにあります。ワンテンポ遅らせた仕掛けが上手く嵌ったということもあるので、それが派手な勝ち方だと本番でも人気になるんですがトライアルでそういう仕掛け遅れをさせてきたような馬が本番のG1で活躍できるわけがないので危険な穴人気している馬になります。

 ただし、トライアルを狙う側として面白いのはそういう賞金不足だけど一発を狙ってここをピークに持ってきているような馬です。特に内枠の馬ほどそういうレースがしやすくなるので注意してみるといいでしょう。

すでにG1で有力馬の騎乗が決まってる騎手は危ない

 有力騎手はすでにG1で騎乗する馬が決まっていたりもしますが、それでもトライアルに馬が回ってくる場合があります。どちらに乗るか迷うくらい強い馬であれば話は別ですがすでにG1で乗る馬が決まっているのにトライアルで騎乗してきた時にはその馬が3着以内で権利を取ることよりも自分の1勝を取るような騎乗をしてくるケースがあります。そういう時はトライアルでもかなり本気で最後まで追ってお釣りを残さないくらい勝ちに来ることがあります。

 重賞勝ちが少ない若手騎手だけではなく、有力騎手であってもこのように乗る馬がすでに決まってるようなときというのは強引に勝ちに動いたりすることもあるので注意が必要です。

どんな馬が狙いになるか?

 一つは先述の通り3着を狙ってくるであろうような馬です。本番のG1では少し力不足でトライアルをピークに持ってきて、G1は記念出走でもいいというくらいの賞金不足なタイプです。展開が向いて、馬場が向きそうならばそういう3着以内を狙ってくるような馬が穴としては面白さがあります。

 もう一つは余力を残して7割の仕上げ7割のレースぶりでも馬券圏内を外す事がないであろうというくらいの強い馬。ただし、そういう馬であっても勝ちに行く必要性はないので陣営としては余力を残して勝てればラッキーというくらいですから最後は疲れを残さない程度の追いになることも考えておいた方がいいので過度な1着を期待するのは危険。よってそういう馬を軸に狙うとしても券種の工夫は必要です。

トライアルはあくまでもトライアル

 毎年言っている事なので勉強回顧会員からしたら当たり前のことではありますがトライアルはあくまでもトライアルなので今回解説したようにどの馬も必ずしも勝ちたいとは限らない不思議なレースです。

 よって強い馬が本気の競馬をしてこない事からもトライアルで自信をもって馬券を買うというのは危険。他のどのレースよりも思惑が錯綜するのでちょっとしたことで紛れてもおかしくないのがトライアルです。そもそも7割や8割のデキで7割や8割の本気度で騎乗してくる馬を信用するでしょうか?

 それならばよっぽど面白いのは本気で3着以内を狙いに来ている馬です。

 こういうところに注目しながらトライアルは検討するのがポイントになってきます。

 今年も勉強回顧では重賞検討会でこのトライアルレースをトライアルの視点から展開解説・思惑解説をしていきます。それだけではなく、どういう騎乗をしてきたら本番のG1で狙えるかというのを把握するのがトライアルレースでもあるので、その先まで見据えながら考えることが大事なのでしっかりと解説を目にしてもらいたいと思います。

 勉強回顧会員ではない人でも今回解説したように思惑を考えてあげることが大事だということが分かってもらえれば予想に役立てることができるでしょう。勉強回顧ではこういうことまでやっているので予想スタイルの作成・予想の引き出しの作成にお役立てください。

こちらはステップレース

 高松宮記念のステップレースとなるのがオーシャンステークスです。こちらもトライアルレースほどではないですが目標を先に持っている馬もいるので陣営の思惑も考えてあげるといいでしょう。

[告知]狙いたいレース検討会(勉強回顧)

 勉強回顧では先週から21周年記念企画として『狙いたいレース検討会』を開始しました。普段通り重賞検討会も開催していますが平場のレースから狙ってみたいと思わせるようなレースを探し出して狙いたくなる理由というのを解説していきます。
(※重賞検討会の捗り具合などによって更新は不定期ですが土日のどちらかは更新する予定です。土日の両方の場合も)

 少しでも予想手順であったりレースの選び方などを参考にしてもらって予想力向上に役立ててもらいたいと思っての企画になります。実益も兼ねてこの機会に勉強回顧で予想力アップしてください。21周年記念の今だけの企画なのでG1シーズン突入までの限定企画ですからお早目にご参加ください。

先週は日曜中京3R

 オッズや人気が分からない前日時点で解説しているので結果的に安いオッズになってしまいましたが考え方解説は勉強回顧にて。→概要とお申込みはこちら 
(※hide指数を用いた解説になりますのでhide指数をお手元にご用意下さい)