クロノジェネシスはどれくらい強い競馬をしたのか(天皇賞秋)

競馬コラム
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天皇賞秋 レース感想

 今年の天皇賞は何が逃げるか想像しづらいレースでした。可能性としてはダイワキャグニーが逃げるのではないかとも考えましたが外枠からダノンプレミアムが逃げていき緩い流れに落としていくというようなレース展開となりました。

 その中で結構強い競馬をしたと感じたのがクロノジェネシスです。今回の内容は3着ながら高く評価したいと思います。

 普段指数の補正やチェックコメントを残している視点からここではクロノジェネシスに特化した感想を書いていきますので最後までお付き合い頂けたら幸いです。

スタートから苦しい競馬になったクロノジェネシス

 スタート直後、今回はキセキもスタートが悪くなかったことからすぐに先行して内に寄せていく動きを見せました。そのすぐ内側にいたのがクロノジェネシスです。その結果内側のフィエールマンと軽く接触するくらいのスタートとなりこの馬としてはいつもよりも位置取りの悪いレースを強いられてしまいました。

最初のコーナーでも窮屈になったクロノジェネシス

 東京2000mはトリッキーなコースでもあるので外枠の馬が先行しようとすると真ん中の馬が挟まれてこのコーナーで窮屈になってしまいます。今年の天皇賞では頭数が少なかったのでその不利を受ける馬は比較的少なかった方ですがクロノジェネシスはその影響を大きく受けてしまった1頭と言えるでしょう。

 内側の前にいたウインブライトと外側にいたアーモンドアイに挟まれるような形になってしまったのでここでも先行していくことが出来ずに控える競馬になりました。

 この最初のコーナーでもこれだけスムーズさを欠いてしまったのでこの馬本来の位置取りを最初からとる事が出来ず後手後手の競馬になってしまいました。

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強引に動く事はしなかったクロノジェネシス

 押し上げるとしたらこの向正面のタイミングでしたがここで無理をせずに流して追走することを選択しました。その結果3コーナーから4コーナーのコーナーワークによってアーモンドアイから距離的に離されてしまうことになります。とても難しい判断だったと思います。勝ちにこだわるならばここで動くという選択もあったかもしれませんが、動く事によって後半に脚をなくす可能性も出てきます。


 どちらにしても最初のスタートで後手を踏まされたことがここで難しい選択をさせられてしまうことにも繋がってしまいました。

直線競馬になってしまったクロノジェネシス

 向正面で押し上げる選択をしなかったことで直線に入ったところでアーモンドアイにこれだけの距離を開けられてしまいました。持続していい脚を使えるクロノジェネシスと、追い出しを我慢してスッと反応する加速力を持っているアーモンドアイ。脚の使い方の違いがありますからクロノジェネシスとしてはアーモンドアイよりも前で運んで先に抜け出す競馬ができた方が向いています。そういう状況の中でも直線競馬だけで後半に伸びてきた脚は長くいい脚でした。

 前で運んでいて追い出しを我慢出来たアーモンドアイは理想的な展開と理想的な仕掛けができました。それに対して位置取りの悪くなってしまったクロノジェネシスは理想像とは逆のレースをしてしまいました。

 その中で最後は外からフィエールマンに交わされてしまったものの積極的なスパートから長く脚を使ってアーモンドアイにここまで迫ったことは高く評価したいと思います。この馬本来のもう少し前で運べるというレースが出来ればもっと面白い競馬が見れたかもしれないという事を考えると色々な楽しい想像も膨らみます。


 スムーズな追い出しができなかった去年のエリザベス女王杯の次にスムーズさを欠く競馬になってしまったのが今年の天皇賞秋だと感じるので今回はスタート直後がこの馬にはネックになってしまったと思います。そういう意味ではスムーズな先行ができれば年内のレースではもう一花咲かせるチャンスは十分にあるのではないかと期待してみたくなる今回のレース内容での3着という結果でした。

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